豚熱とは?【アニメーション動画付き】

豚熱とはCSF(Classical swine fever)ウイルスの感染による豚とイノシシの病気です。

高い致死率と強い感染力が特徴的な病気です。

以前は豚コレラと呼ばれていました。

1800年代にアメリカ合衆国で初めて発生が確認された際に、同地域において、ヒトのコレラが流行していたことから、関連は判然としないまま hog cholera (豚コレラ)と命名されたことに由来しています。

ですが、ウイルスによって起こる豚熱は、細菌で起こるヒトのコレラとは無関係で、人のコレラと紛らわしく風評被害の恐れがあることから2020年2月に農水省が豚コレラから豚熱に正式に名称を変更しました。

人に感染することはなく、万が一豚熱にかかった豚肉やイノシシの肉を食べても人に移ることはありません。

また、市場に出回る豚肉はしっかりと検査を受けているので、そもそも豚熱に感染した豚肉が出回ることはありません。

豚熱ウイルスは非常に強い伝染力を持ち、高い致死率を持つことが特徴で、治療法がなく、1度豚熱が発生してしまったら、ウイルスを蔓延させないための予防対策は殺処分しかありません。

感染した豚は、唾液や糞尿にウイルスを排出するので、そのままにしてしまうと、感染していない豚に次々と感染してしまい、農場内はウイルスだらけになってしまいます。

高濃度のウイルスは、様々な汚染物を介して別の農場へ侵入する可能性が高いので、豚の農家さんにとって大きな脅威となります。このことから、殺処分は増えたウイルス量を少なくすることで、他の豚舎への感染を防ぎ、日本の養豚産業を守るためにも行わなければならないのです。

日本は 2007年から豚熱の清浄国でしたが、国内での発生からワクチン使用も2年で封じ込められず2020年9月3日に「清浄国」認定を失ってしまいました。

清浄国に戻るには、豚熱が最初に発生してから2年の間に、1年以上、ブタで発生していないことや、ワクチンを接種していないことなどが要件となっています。

清浄国でなくなると、豚肉の輸出に影響が出る場合もありますが、農林水産省では香港やシンガポールなど、主な輸出先とは個別に交渉して輸出していて、大きな影響はないとしています。

普段当たり前のように食べている豚を育てている農家の方々は日々豚熱のような感染病と闘っています。

我々にできることは限られていますが、まずは、目の前にあるものを残さず食べることや毎日の食事を感謝して食べることが大切だと思います。

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