江戸時代のトイレ事情【アニメーション動画】

当時の江戸には、世界中で流行っていた「これら」や「ペスト」といった感染症の問題が少なかった。
更に、江戸の人口は世界の主要都市の中でもトップクラスの人口だったと言われています。
そのおおきな理由の1つは江戸のトイレ事情が関係しているそうです。

江戸はとてもインフラが整備されていた都市でした。

当時世界最大級の上水道や、ハイテク技術を駆使した土木作業がありました。

さらに注目すべきことは、下水網の充実です。

都市部の生活用水や雨水を掘りや川へ排水して海に流す流れが、上水道と同じ17世紀半ばごろ、つまり江戸時代の初期には完成していたのです。

下水道と言えば現在は、悪臭が漂うような嫌なイメージがあると思いますがこのころはそうではなかったそうです。

水質汚染に繋がるような洗剤や化学物質は存在しないし、なにより排せつ物を汲み取り式にしていたので流さなかったのが大きかったことです。

このころの排せつ物は農家にとって貴重な肥料と考えられていて、お金や野菜と引き換えに引き取られていました。

また、長屋には共同便所があり、下肥代は大家の副収入原になっていましたし、人の集まるところには公衆トイレがあってそこで用を足すのが当たり前でした。

何より、トイレで用を足すという当たり前の行為が、都市の衛生に果たす役割非常に大きいものでした。

同時代のヨーロッパ諸国では、排せつ物は下水や側溝に流すか、路上に垂れ流すのが基本でした。

当時の女性たちのスカートが胸から下が膨らむようになっているのは、立ったまま路上で排泄行為がしやすいようにするためだそうですし、ハイヒールもなるべく路上の汚物を踏まないように普及したという説があります。

こういった状態がコレラやペストといった伝染病の温床となり、パンデミックを生み出していたということは言うまでもありません。江戸にこの類の問題が少なかった理由の一つは、清潔なトイレ事情が関係していたのでしょう。

毎日出る排せつ物の問題としっかり向き合い、きれいな街を継続した江戸の知恵を見習いたいですね。

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